第16号 社長と一緒に会社のことを真剣に考える社員を増やす

━━ <社長と一緒に会社のことを真剣に考える社員を増やす> ━━━
発行:株式会社スコラ・コンサルト 中堅・中小企業サポートグループ
      【経営者.com】⇒ http://www.keieisha.com

─────────■第16号 2008.01.31■───────────

「経営者.com」より、メールニュースをお届けします。
今回のコラムは、プロセスデザイナー・若山修が「変革の成果」に
ついて書いています。支援の現場で、実際に風土改革に携わる社員の
みなさんが感じた「変革の成果」とは何だったのか。これから風土改
革に取り組む方にも、「改革の成果が出ない、わからない」と悩む方
にも、ぜひ読んでいただきたいと思います。

「経営者.com」は、「社員を主役にする新しいトップダウンの形」を
目指している経営者の ために、5名のプロセスデザイナー(組織風
土改革の専門家)がお役に立つ情報をお届けしてまいります。

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      △▼ 「変革の成果とは何か」 ▼△
             
                プロセスデザイナー 若山 修
【プロフィール】⇒http://www.keieisha.com/category/1155202.html
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■■「成果って、何ですか」
■■「制度を変えること、会社を変えることです」

 「『自分がやる』と言う社員を一人でも多く増やしたい」という
のが風土改革を始めた社長の動機です。それに対し、風土改革活動
に手を挙げた社員たちの言葉は辛らつでした。

 「これ以上、同僚を退職させたくない。このままじゃ、この会社
はどうにもならなくなってしまう。オフサイトでは結論は求めない
そうですが、私たちはやるからにはあくまで『成果』を求めていき
ますよ」
「成果って、何ですか」
「制度を変えること、会社を変えることです」

 この会社では、経営に対する不信感は大変強いものがありました。
風土改革なんて建前で、本当は社員に対するパフォーマンスに過ぎ
ないのではないか、ただのガス抜きで終わるのではないか、という
声がたくさんありました。実際、ここ十年くらいの間に数度の社員
参加型のプロジェクトが行なわれ、それらは特に何の成果も生まな
いまま、うやむやに終わってしまったのだそうです。

 もっとも、私たちは社長が本気でコミットしていることを知って
いました。社長は忙しい合い間を縫って、スコラとも積極的にミー
ティングをもち続け、社員がいきいきと働ける会社像について、真
剣に語り合っていたからです。しかし、これまでの歴史の中で社員
のみなさんが傷ついてきたこと、退職が続くことに対する現場の危
機感は「事実」として受け止めるべきです。


■■「本当にそれだけが成果でしょうか」
■■「『まだ何も変わっていない』という人もいる。でも…」

 私たちは経営への不信を正すことよりも、「本当にそれだけが成
果でしょうか」と投げかけ、成果定義の議論に時間をかけました。
その結果、

  (1)自分が変わる
  (2)自分の周囲を変える
  (3)会社を変える

という3つの「成果」を設定し、風土改革がスタートしました。昨
年3月のことです。

 およそ10カ月後の2007年の年末、「ガス抜きは嫌だ」と言ってい
た、あるコアメンバーの方は言いました。

 「『まだ何も変わっていない』という人もいる。でも、ぼくに
とっては、この活動に参加してから大きく変わっている。この活動
がなかったら、会うこともなかった人と出会い、この活動がなかっ
たら、話さなかったようなことを話し合っている。その中でぼく自
身が変わったし、ぼくにとっては会社の風景も今までと違って見え
ている」

 彼は「伝説の」という形容詞がつくくらい、社内では有名なスー
パー営業マン。仕事もできるが、とんがった言動でも有名です。い
つもは指導し、育てている部下たちとともに風土改革に参加しまし
た。日頃の上司部下という関係を離れて語り合うオフサイトミーティ
ングでは、逆にいろんなことを教えてもらったと笑います。


■■「社長って、どんな人なのか、肩書き抜きで飲んでみたい」
■■ この一言から生まれた「成果」とは

 2008年、彼らは活動から1年目を迎えるにあたり、コアメンバー
が一同に集まる「成果報告会」を行なう予定です。

 彼は胸を張ってこう言います。
「年末に開催した『社長との飲み会』、ぼくはあれを自分のグルー
プの成果として報告するつもり。あれだけで十分だと思っています」

 彼の主催するコアネットワークのメンバーが「社長って、どんな
人なのか、肩書き抜きで飲んでみたい」と何気なく言ったことから
始まった企画。たかが社長と飲むだけ、なのに、実現まではけっこ
う大変でした。
 経営と現場との壁は想像以上に大きくなっており、現場のマネー
ジャークラスも、経営まわりの部長クラスにとっても、現場社員が
社長とじかに接することは、必要以上に緊張することだったのです。
 誰を呼ぶか、どこでやるか、そもそもの目的は何か、それが風土
改革なのか、飲み会でなくディスカッションではダメなのか、とり
あえず一度企画書的なものを作ったほうがいいのではないか…。当
事者からも、そうでない人からもいろいろな意見が出ました。
 「一人の個人として、ただ飲んでみたいだけ…」という何気ない
意見は、オフサイトならではの意見です。この意見を口にしたメン
バーのために、彼は奔走しました。どんな議論も批判も受け止めて、
粘り強く実現に導きました。
 そんな飲み会が盛り上がらないわけがありません。社長は楽しみ、
そして自分の言葉で熱く語る社員に感激され、社員の声に耳を傾け
ました。現場社員から誘って実現した飲み会なんて初めてだったの
です。もちろん参加メンバーも楽しみ、社長の素顔に触れたことを
喜びました。


■■ 眼に見えない大事な「成果」を広げたい。
■■ 一人ひとりの小さな行動一つひとつが「成果」になる

 変革の成果とは、あるいはゴールとは何でしょう?

 彼と同じコアネットワークに属するメンバーの一人は、こう言い
ます。
「オフサイトミーティングを通して、たくさんの人と会い、多くの
刺激や気づきをもらった。これは眼に見えないけど、大事な成果。
この熱と、この輪を拡げていきたい」

 社長はこんなふうに言っています。
「自発的に行動する社員の数が増え、その数がある分水嶺を越えた
ときに当社の本当の力が発揮されるだろう」

 私の眼には、両者は同じ夢を夢見ているように映ります。組織内
のあらゆる階層で、あらゆる部門で、本音の議論が飛び交い、どん
な小さなアイデアも大切にされ、育てられる。互いを尊敬する社員
がいきいきと働き、組織のどこからでも知恵が生み出される、そん
な組織です。
 だから、本音の議論を広めようとする一人の行動が成果。人数を
増やし、コアネットワーク化していくことが成果。コアネットワー
クから生まれる小さなアクションの一つひとつが成果なのだと思い
ます。


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第17号は、プロセスデザイナー遠藤咲子がお届けいたします。
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━━ <編集後記> ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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