●3つのテコ
顧客への新たな価値創造をするための「仕事のやり方」改革が風土改革です。このプロセスをデザインし実行していくためにテコになる要素が3つあります。
−テコ1−
トップと社員の協力関係をつくること
−テコ2−
トップの会社から私たちの会社へのパラダイム転換を図ること
−テコ3−
経営の軸を中心とした会社のつくりこみに主体的に参加する社員の動機と動き です。
この3つのテコが束なることで、仕事のやり方を変え続ける、変化し続ける会社へのサイクルが回り出します。
−テコ1−
トップと社員の協力関係をつくる
トップ一人の力で会社を変えることはできますが、変え続けることは難しいことです。
変え続けるためには、社員との協力関係をベースにした「変える」という行動が、必要不可欠な要素となります。
しかし、多くの場合、
−社員から見たトップは、
「会社の将来を考える役割の人」であり、
−トップから見える社員は、
「日常業務を繰り返しているだけで、将来のことを一緒に考えてくれるとは思えない存在」だと感じているのではないでしょうか。
風土改革の初期に抱えるジレンマであるとも言えます。
しかし、こういった状況は打開できるのです。二人の事例をご紹介します。
−Nさんの事例−
「こなし作業」から「付加価値を生む仕事のし方」へ
Nさんは、仕入れ担当者としてスピード第一、期限第一で、「こなし作業」をしていました。
そんなNさんが、納入先の仕入れ担当者になったつもりで、営業マンとお客様と一緒に納入先の将来を考えて、提案をするようになりました。
−K氏の事例−
「他責」から「自分が出発点である仕事のし方」へ
K氏は「売るべき商品は会社が決める事だから、売れない商品しかつくれない会社が悪い」と声高々に叫んでいました。
そんなK氏が、「売るべき商品は、育てるものだ」自分がその商品を育てるためのワーキンググループを立ち上げてリードしています。
まったく同じ人が、同じ会社の同じ仕事にも関わらず、ここまで変化するのです。
なぜ変わるのか?
それは、非常にシンプルだと思います。
もともと、「考えて、変化する行動を取れる人たち」だったにも関わらず、トップが協力関係を築くことをせず、一緒に将来を考える時間をとってこなかったということです。
行動をトップが後押ししてこなかっただけなのです。
風土改革コンサルティングの現場では、社員は変わり続けています。
考えて行動する人になります。
変え続けるためには、社員との協力関係をベースにした「変える」というトップの行動が、必要不可欠な要素なのです。そのプロセスを実現するためには、「経営の軸」を中心とした会社のつくり込みをベースとするのです。
−テコ2−
トップの会社から私たちの会社へのパラダイム転換を図る
風土改革コンサルティングでは、「経営の軸」を中心とした会社のつくり込みのプロセスを踏むことで、“トップの会社”から“私たちの会社”へのパラダイム転換を図ります。
「経営の軸」とは、会社が「機能の集合体」から「チーム」への変化を実現する社員が共通で持つ判断軸である。
軸には3つの視点が必要です。
一つ目は、私たちの本当のお客様は誰か、私たちの提供する価値は何かという事業軸の明確化、再定義
二つ目は、私たちがその際に大事にするものは何かという、AかBを迷った時に判断軸となる価値観の明確化
三つ目は、その結果、自分の仕事に対するやりがいと生活の質が向上するのかという自分たちとのつながり です。
多くの会社には、中期経営計画や戦略が存在します。しかし、それに描かれているものを実現したときに喜ぶ人は何人いるのでしょうか。ひょっとしたら、喜ぶのは経営層だけではないでしょうか。
「経営の軸」は、最初から明確なものでなく、社員と共につくり込み、だんだんに精度をあげていくものです。
N社の例では、
「双方向の提案型組織になろう」という投げかけからスタートし、
「地域一番の販売店をつくっていこう」、
「部門間で協力しながら、そのお店のサポーターの役割を全員が果たしていこう」
と徐々に発展し、仕事のし方が変化し始めています。
これは、協力関係をベースにした対話から導き出したものであり、このプロセスを通じて、「トップの会社」から「私たちの会社」へのパラダイム転換が図られてきたのです。
−テコ1−でご紹介した事例、Nさん(仕入の仕事から提案の仕事への、「経営の軸」をつくりこんでいく中で起きた動きなのです。
私たちの会社をどうつくり込んでいくのかを考える社員の行動の量と質が、顧客への新たな価値創造をするための仕事のやり方改革につながっていくのです。
−テコ3−
経営の軸を中心とした会社のつくりこみに主体的に参加する社員の動機と動き
会社のつくり込みには、参加する社員の動機がその動きを左右します。ここである世話人の方−K社の30代後半の世話人−が語った動機を、語ったことばそのままにご紹介します。
まいったな〜と思いながら、率直に述べさせていただきます。
●なぜ、この活動に参加しているのですか?
@苦しむ社員を救いたい(私も含めてですので、救われたい)。
A身内にすすめられる会社に勤めたい。柴田さん(注:スコラ・コンサルト代表)からの質問でこんな言葉「あなたの会社に身内をすすめられますか?」があり、感銘を受けた。
B社長だけに任せても、会社は変わらないと本気で思っているし、(今の社長には難しいと思う)どうせならそこに自分色を混ぜていきたいと思っている。
C一方で、社長はかわいそうだな〜って思っている。だから力になりたいとも・・・
もうひとつの質問として勝手に言わせて下さい。(^v^)
●続けていられるモチベーションは?
@「会社を良い方向に変えようと行動していることは、悪いことをしている訳ではない」というK社のIさんの言葉に、勇気をもらい、今でも自分の信念と覚悟の源になっている。
A私たちの会社の秘めている力はこんなもんじゃないと強く信じている。(いつも裏切られますが・・・)
●この活動を通して、得たいものは何ですか?
@会社の収益を上げ、社員へ利益の分配をし、自分もその恩恵に預かる。(おまけに立場もついてきて、もっと活動しやすくなると尚良し)
A社内での信用・信頼関係
B自分が生きていたという証を残す・悔いなく生きる(やったんだという達成感)
C従業員でも会社を変えられるという成功事例をつくり、社内から俺も俺もなんて声が上がってきて、活気のある会社にしたい。
上記のK社の30代後半の世話人の方だけでなく、−テコ1、2−でご紹介したN社のN氏K氏もほぼ同じような動機から行動を開始したと語っています。
みなさんの会社にも、こういった動機を持っている世話人候補の方々がきっと存在します。今は、見えていないだけなのかもしれません。
