第25号 社長と一緒に会社のことを真剣に考える社員を増やす

■経営者.comメールニュース       第25号 2008年11月5日
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  <社長と一緒に会社のことを真剣に考える社員を増やす> 

「経営者発」の企業風土改革を支援するスコラ・コンサルトのプロ
セスデザイナーが、中堅・中小企業経営者の皆様へ、日ごろの支援
の現場からの気づきやお役に立つ情報をお届けしています。
                  http://www.keieisha.com

【今回お届けする内容は…】─────────────────

◆「経営者オフサイトミーティング」第2期がスタートしました。
 「社長とは、取締役とは」に悩む、次期経営者の皆様も仲間です

◆プロセスデザイナーコラム 住永信之
 「社長と役員、経営陣の一枚岩化は対話から」

◆編集後記・次号予告


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■「経営者オフサイトミーティング」第2期がスタートしました。
 「社長とは、取締役とは」に悩む、次期経営者の皆様も仲間です
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 「“社長”の肩書きをはずして、
  『経営』について“ざっくばらん”に話し合う」

「経営者オフサイトミーティング」は、“経営者のための気楽でま
じめな話し合いの場”です。その第2期が、10月からスタートしま
した。第1期に続き今回も、業種も経験も多岐にわたる経営者の皆
様が集まってくださいました。

 今回は、親会社の管理職からグループ会社の社長になった方、次
の期には社長になる予定の方など、比較的社長歴が短い方や「次期
社長になるので、今から経営者としての課題を学んでおきたい」と
参加された方が数名いらっしゃいます。「ほかの取締役から『これ
にぜひ行ってください』とすすめられてね」という取締役の方も。

  経営者オフサイトミーティングは、利害関係やマイナスの感情が
働かないところだからこそ、素直に人の意見を聴き、吸収できる場
です。たとえば次期社長になる方は、先代の社長がつくってきた価
値を上回るもの、異なるものを出さなくてはと肩に力が入り、思う
ようにいかないケースも、私たちの支援の場では多々見受けます。
 取締役とはどういうものか、社長とはどういうものか。それをわ
かっているのは、自社の社長や役員だけかもしれません。ましてや、
次期社長ともなれば社内でも特別な存在でしょう。

 直接の利害関係のないところで、取締役とはどういうものか、社
長とはどういうものかをお互いに話し合える、それぞれの思いや悩
みを共有できる。これは、視野を広げ、各々の立場での視点で、も
のが考えられるようになる。当然のことですが、そこからの気づき
は、自社の経営に生かすことができる。
 いったん自社から距離を置き、客観的に見ることで、自分自身の
気づきや自社の良さ、問題などが見えるのではないかと思います。

 社長の「今の経営」の議論から、次期社長や取締役の方が「今が
つながっている近い未来の経営」を議論する機会も、これからどん
どん出てきそうです。とても楽しみになってきました。

 第2期の参加者募集は終了しましたが、「経営者オフサイトミー
ティング」の第3期は、来春開催予定です。「自分の思いが、なか
なか社員に伝わらない」「経営層のチーム力とは何か」「突然社長
になった自分の役割は何なのか」など、自社ではなかなか話す機会
のない、経営の大切なテーマを、ざっくばらんに話し合える場です。
 関心をお持ちの方は、ぜひいちど、お問合せください。


 ▼「経営者オフサイトミーティング」詳細はこちらから
  http://www.scholar.co.jp/service/offsite-m.html


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■プロセスデザイナーコラム            
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 「社長と役員、経営陣の一枚岩化は対話から」

               プロセスデザイナー 住永信之
   http://www.scholar.co.jp/company/process/suminaga.html
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 以前、大手企業の管理職から、ある中小企業の経営者に転職した
時の経験をお話します。

 転職時にいちばん心配したのは、役員からの抵抗でした。その会
社で長く働いている役員にとって、突然、落下傘のように外部から
トップがやってきて、上に立つことになるのです。また、私自身、
仕事への思い入れはあっても、その会社の事業に対してはまったく
の素人でした。そんな社長についてきてくれるのか、抵抗する役員
によって社内が分断されてしまったりはしないか、そういった心配
をしていました。
 でも実際に入社してみると、役員はみな温厚でまじめで仕事熱心、
経営状況の説明も私からの質問にも実に丁寧に対応してくれました。
 ひと安心して、いい会社だなと思っていましたが、しばらくする
と違和感をもち始めている自分がいました。たとえば、全社の中期
目標や年度目標の進捗について報告する月次会議で、その目標や課
題がまったく進んでいない報告がされます。その会議は、部長以上
の管理職が集まっているのですが、遅れの事情説明も、対応案も出
てこないのです。
 不思議に思って役員に聞くと、「それは会社の考えることですか
ら、私たちは社長からの指示があれば動きます。早く指示を出して
ください。部下もみな困っていますから」と言われてしまったので
す。役員や社員にとって、全社レベルの目標や課題は社長が考える
ものであって、自分たちはその指示に対して動くのだと、当然のよ
うに捉えられていたのでした。
 実は前の社長は、とても優秀で行動力のある方でした。ひとりで
事業を立ち上げ、広げてこられました。だから、仕事の詳細まで誰
よりも熟知し、細かな指示を役員や社員に出して動かすマネジメン
トをしていました。また、役員が積極的に自分で考えて行動したこ
とに対し、社長は「勝手に動くな」ときつく叱ることも多々ありま
した。必然的に彼らは、自分で考えて仕事をすることはなくなって
いったのでしょう。役員がそうですから、管理職、社員も同じよう
に動きます。
 そんな会社のようすを知り、私も同じようなマネジメントをしな
くてはと細かい指示を出し、精力的に動き回りました。宮沢賢治の
「雨ニモマケズ…」のように、西に東に走り回ってしました。その
詩を額に入れて、社長室に飾って毎日見ていました。
 仕事はどんどん増えます。役員間のもめごとの調整や、社員への
細かい施策の説明まで自分でやっていました。日々、エンドレスの
皿回しをしているような感覚です。何かおかしいと感じてはいまし
たが、社長として自分は一生懸命やっているし、部下は背中を見て
ついてきてくれると信じていました。ところが、とうとう体調を崩
して入院してしまったのです。

 「自分は、何がいけなかったのだろうか」
 過去はふり返らないタイプですが、このときばかりは病院のベッ
ドで、社長になってからの一年間のことを考えていました。考えて
みれば、入院も、こんなに何もしないゆっくりした時間を持ったの
も初めてでした。
 この貴重な時間で思い至ったのは、「会社は、社長一人では動か
ない。役員たちに助けてもらわなければ、会社を動かすことはでき
ない」ということでした。
 自分は、役員と仕事について十分聞いたり、質問したり、一緒に
考えてきただろうか。役員に、自分はどのような役割を期待してい
たのだろうか。役員は、社長である自分の役割をどのように考えて
いるか聞いたことがあっただろうか。
 もちろん答えは「ノー」でした。
 私にとって役員は、自分のコマとして指示どおりに動いてくれれ
ばいい存在でした。今思えば恥ずかしい限りですが、自分は役員よ
りもできる人間であり、役員は私の指示で動いてくれればいい、と
本当に思い込んでいたのです。だから「どうして社長である自分が
こんなことまで指示しなくては、役員は動かないのか」「役員同士
で話し合って、相談し合って意見を出してくれないのか」などと内
心不満に思いながらも、距離をおいて、指示・命令を出していまし
た。でも、考えてみれば、私自身が役員とそのような話し合いをし
ていないではないか。そのことに、ようやく気づいたのです。

 その後は、会議でも立ち話でも、まずは相手の話を聴き、自分の
意見はできるだけわかりやすく説明をするように努力しました。す
ぐに変化があったわけではなく、もちろん仕事の成果に即結びつく
ようなことはありません。でも、対話の量が増えるにつれ、役員た
ちは「ちょっといいですか」と私の部屋に来て、気になる仕事の話
をしてくれるようになりました。仕事がらみの雑談も多くなってき
ました。以前はあった、話を始める時の固さもなくなってきました。

 ある程度対話ができるようになってきたので、思い切って「役員
の役割とは何だろう」ということをテーマに、話し合うことを提案
しました。もちろん人によって解釈は違いますし、正解はありませ
ん。でも、対話を繰り返しながらみんなでこのテーマを考え、一人
ひとりが自分の言葉で話せるようになればいいと思ったのです。
 このような対話を繰り返し、役員はこれまで、自分の役割は何な
のかを考える機会もなくトップに聞くこともできずにいたこと、そ
れでも会社のためにがんばってくれていたことを改めて感じました。
そして時間がたつにつれ、役員から全社的な視点での発言が出てく
るようになりました。私と役員間だけでなく、役員と部下との間も
対話が明らかに増えていきました。
 「もっと早くこのことに気がつけば」と悔しい感もありましたが、
「まだ遅くはない。これから、会社が変わっていけばいいのだ」と
自分に言い聞かせ、対話を続けていったのです。

 過去の私がそうであったように、役員にもっと考えてほしい、と
思いながらも、指示・命令を出し続けているトップの方も多いので
はないでしょうか。そんな方は、たとえば次のようなテーマから、
役員との対話を始めることもいいのでは、と思います。

 ・自分たちの行動はお客様のためになっているだろうか。
 ・お客様のためになる役員とは何だろう。
 ・自分たちの行動は社員を働きやすくしているだろうか。
 ・社員を働きやすくする役員とは何だろう。

 「忙しいのに、そんな青臭い議論はしていられない」「何年も役
員をやっているのだから、今さらそんなことはわかっている」そう
いった声も出るかもしれません。でも、「役員とは何か」という素
朴な問いは、意外に答えづらいもの。まずは、役員のみなさんと一
緒に対話を繰り返し、少なくとも20時間くらいをかけて、このテー
マを話し合ってみてください。きっと、何かが変わってきます。
 

  ▼コラムのバックナンバーは下記からご覧いただけます
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━━ <編集後記> ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「会社としての『共有価値』をもっともっと深堀して、腹に落とす
ことが大切じゃないかな」
「皆さんの意見を聞きながら、常に原点をふり返り根っこの共有を
したい」

これは、第2期の経営者オフサイトミーティングに参加された方か
らいただいた感想のひとことです。
原点をふり返る、自分の根っこを仲間やお客様と確認していく。
日々の仕事にバタバタしながらも、ぜったいにおろそかにしてはな
らないことですね。経営者だけではなく、一社員の自分にとっても
それは同じです。原点と自分の根っこを大事にしようと、改めて考
えたひとことでした。
このような気づきをいただける皆さまとの出会いに、感謝したいと
思います。

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